国土交通省は8月26日、荷主との運賃交渉の参考となる「標準的運賃」の浸透・活用状況を把握する実態調査の結果を公表しました。調査は令和8年3月9日から27日まで、全日本トラック協会の会員事業者約1200社と、ホワイト物流推進運動で把握した荷主企業約200社を対象とするアンケートで実施されました。結果によると、実際に収受できた運賃が標準的運賃の8割以上に達した事業者は約35%にとどまりました。
一方、運賃交渉を実施したトラック事業者は約90%に上り、そのうち荷主から一定の理解を得られたのは約78%でした。事業者全体で見ると、運賃交渉について荷主から一定の理解を得られたのは約7割で、交渉自体は広く行われるようになっています。国土交通省は、この標準的運賃を令和6年3月に平均8%引き上げるとともに、燃料サーチャージの仕組みを盛り込んで改定しています。標準的運賃や自社の原価を根拠に提示した事業者ほど、希望を認めてもらいやすい傾向も示されました。
今回の結果は、運賃交渉の実施が広がった一方で、8割以上を収受できる事業者がまだ3割半ばにとどまる現状を浮き彫りにしました。当コーナーでも8月にお伝えした改正法に基づく「適正原価」の検討は、こうした実勢運賃と基準との乖離を背景に進んでいます。いつかは強制力を伴う制度になることにも備え、荷主から低い条件を提示されても根拠を持って交渉できるよう、自社の原価と標準的運賃との関係を把握しておくことが大切です。
事業者の皆さんには、自社の運賃を標準的運賃や原価と突き合わせ、交渉の根拠を整えることをおすすめします。まずは原価計算の仕組みを動かし、契約ごとに実勢運賃と収支を確認しておくとよいでしょう。