カスタム・ドレスアップ

VIPスタイルのやり方・パーツ

2026.06.25 更新 読了 約12分 編集部
左:国産高級セダンのVIPカスタム、右:軽トラックのVIPカスタム。スタイルの変遷を示す比較写真

VIPスタイルとは、低く構えた車高、ワイドなボディ、大径の深リムホイールで「走る高級感」を演出するカスタムジャンルです。もともとはセダン(クラウンやフーガなど)を中心に発展したスタイルですが、近年は軽トラックや小型トラックにも広がり、独自の存在感を放っています。

この記事では、トラックでVIPスタイルを目指す方に向けて、必要なパーツの種類と費用の目安、車検や保安基準の注意点、参考になる事例までをまとめました。初めての方でも全体像を掴める構成にしています。

VIPスタイルとは?トラックカスタムにおける歴史と現在

VIP系カスタムのルーツは、1990年代から2000年代にかけての国産高級セダンカスタムにあります。クロームメッキのパーツや大径ホイール、極限まで下げた車高で「VIPカー」と呼ばれるスタイルが確立され、クラウンやセドリック、フーガといった車種がその中心でした。

この流れがトラックに波及したのは、2000年代後半から2010年代にかけて。特に軽トラック(ハイゼット、キャリイなど)のカスタムシーンで「ワイド&ロー」のVIPスタイルがブームになりました。近年はリフトアップ系のアウトドアカスタムが主流になりつつあるものの、2020年代に入ってから「原点回帰」としてVIPスタイルを再評価する動きが強まっています。

トラックにおけるVIPスタイルの特徴は、次の3要素に集約されます。

  • ローダウン(低車高): エアサスペンションや車高調で地面スレスレまで車高を下げ、どっしりとした構えを作る
  • ワイドボディ: オーバーフェンダーやワイドトレッド化で横幅を拡大し、迫力あるシルエットを演出
  • 深リムホイール: 大径かつリムの深いホイールをツライチで収め、足元から高級感を醸し出す

こうしたスタイルは、軽トラックの実用性を保ちながら「走るアート」としての自己表現を楽しむオーナーに支持されています。

VIPスタイルを構成する代表的なパーツと費用

軽トラックのVIPスタイルを構成する主要パーツ(エアロパーツ、ホイール・タイヤ、足回り、オーバーフェンダー)の装着位置を示す図解

VIPスタイルの完成度は、パーツ選びと組み合わせで決まります。ここでは主要なカテゴリごとに、代表的なパーツと費用の目安を紹介します。いずれも施工費(工賃)は別途かかる点に注意してください。

エアロパーツ

VIPスタイルの「顔」になるのがエアロパーツです。フロントバンパー、サイドステップ、リアバンパーの3点セットが基本で、張り出し感のあるデザインが特徴です。

軽トラック向けでは、K-BREAK(ケイブレイク)や翔プロデュースといった専門ブランドが展開しています。例えば、K-BREAKのS500系ハイゼット向け3点セットは約185,000円(税込)、翔プロデュースのNovel CUSTUMシリーズは約174,000円(税別)が目安です。車種・年式によって適合が異なるため、購入前に対応確認が必要です。

  • 費用目安: 3点セットで15万円〜25万円程度(車種・ブランドにより変動)
  • 素材: FRP(繊維強化プラスチック)が主流。黒ゲルコート仕上げ(未塗装)で納品されることが多く、塗装費は別途

ホイール・タイヤ

VIPスタイルの足元を決める最重要パーツです。大径の深リムホイールに、やや細めのタイヤを組み合わせる「引っ張りタイヤ」が定番のセッティングです。

リムの深さ(ディッシュ)やインセット(オフセット)をミリ単位で調整し、フェンダーとのツライチを狙うのが理想とされます。ブランドはWORK、SSR、BBS、マホラなどが人気です。

  • 費用目安: ホイール4本で10万円〜40万円程度。タイヤ別途。ワンオフのリバレル加工(ホイール幅を拡大する加工)はさらに高額
  • サイズ: 軽トラックなら15〜16インチが主流。ハイエースクラスなら19〜20インチも選択肢に

足回り(ローダウン)

車高を下げる方法は、大きく分けて車高調(全長調整式ショックアブソーバー)とエアサスペンションの2種類です。

車高調はコストを抑えつつ、一定の車高ダウンを得られる現実的な選択肢です。軽トラック向けで約10万円前後から。一方、エアサスペンションは走行中に車高を自由に変えられ、駐車時には最大限のローダウンを楽しめるのが魅力ですが、導入費用は高めです。

  • 車高調: 10万円〜20万円程度
  • エアサスペンション: 20万円〜50万円以上(車種・システムにより大きく変動)
  • 補足: 大幅なローダウンでは、調整式アームやナックル、ロアアームなどの補助パーツも必要になる場合がある

オーバーフェンダー・ワイドボディ化

太いホイールを履きつつ車検にも対応するために、オーバーフェンダーは欠かせません。フェンダーの外側に被せる形で装着し、ワイドなスタンスを作り出します。

  • 費用目安: 前後セットで3万円〜10万円程度。FRP製が一般的で、未塗装での納品が多い
  • 注意: フェンダーの爪折りや叩き出しといった板金加工を併用する場合は、施工費が追加になる

内装パーツ

外装だけでなく、車内の雰囲気づくりもVIPスタイルの重要な要素です。シートカバーやダッシュマット、ステアリングカバーなどをレザー調やスウェード調の素材で統一すると、高級感が格段に上がります。

  • シートカバー: 5万円〜8万円程度(ブランド・素材により変動)
  • ダッシュマット: 1.5万円〜3万円程度
  • ステアリングカバー: 5千円〜1.5万円程度
  • その他: カーテン、LED照明、アームレストなどでさらに雰囲気を追求できる

カスタムペイント・ラッピング

ボディカラーや塗装の質感も、VIPスタイルの印象を大きく左右します。純正色のままでも構いませんが、深みのあるメタリックやパール、マッド系のフルラッピングで独自の世界観を演出するオーナーも増えています。

  • フルラッピング: 20万円〜40万円程度(車両サイズ・フィルムの種類により変動)
  • オールペイント: 30万円〜50万円以上
  • 部分塗装(バンパー・フェンダーなど): 1パーツ数万円〜

車検と保安基準 — 合法にカスタムを楽しむために

VIPスタイルは見た目のインパクトが大きいぶん、車検や保安基準との兼ね合いが避けて通れません。公道を走る以上、以下のポイントを押さえておきましょう。

最低地上高

道路運送車両法の保安基準では、最低地上高(車体の最も低い部分と地面との距離)が9cm以上必要です。過度なローダウンはこの基準を下回る可能性があるため、車高調やエアサスのセッティング時に注意が必要です。

ホイールのはみ出し

タイヤおよびホイールがフェンダーから外側にはみ出すと、保安基準違反になります。オーバーフェンダーを装着する場合は、ホイール全体を覆えるサイズであることが条件です。ツライチを狙いつつも、フェンダー内に収まっているか必ず確認してください。

オーバーフェンダーの取り付け

オーバーフェンダーそのものは車検に通りますが、以下の点に注意が必要です。

  • フェンダーの端部が鋭利でないこと(歩行者保護の観点)
  • しっかりと固定され、走行中に外れる恐れがないこと
  • 全幅が変更される場合、構造変更申請が必要になるケースがある

全幅が変更されるような大幅なワイドボディ化を行う場合は、運輸支局での構造変更検査を受ける必要があります。事前に施工ショップや専門家に相談することをおすすめします。

灯火類・マーカー類

エアロパーツに組み込まれるフォグランプやLEDマーカーは、色や明るさ、取り付け位置が保安基準に適合している必要があります。特に青色や赤色の灯火は、誤認を招く恐れがあるため公道での使用が制限されます。

年式と車検の関係

新車登録から年数が経過した車両では、カスタムの有無にかかわらず車検時の整備項目が増える傾向にあります。ベース車両を選ぶ段階から、車検の残存期間や整備履歴を確認しておくと安心です。

VIPスタイルの参考事例

VIPスタイルにカスタムされた軽トラックの展示車両。ローダウン・深リムホイール・エアロパーツで仕上げられた完成形

ケイブレイクのコンプリートVIPスタイル

S500系ハイゼットトラック向けに展開されているK-BREAKのVIPエアロキットは、フロントバンパーからリアに至るまで統一されたデザインで、初心者でも方向性に迷わずVIPスタイルを完成させられる点が魅力です。オーバーフェンダーや内装パーツまでラインアップが揃っており、トータルコーディネートが可能です。

翔プロデュースのカスタムペイント車両

翔プロデュース(SHO PRODUCE)は、ハイゼットトラック向けのエアロパーツに加えて、カスタムペイントを施したコンプリートカーも展開しています。東京オートサロンやジャパントラックショーといったイベントにも出展しており、実車を見る機会があります。

イベントで最新トレンドをチェック

VIPスタイルを含むトラックカスタムの最新トレンドは、以下のイベントでまとめてチェックできます。

  • 東京オートサロン: 毎年1月、幕張メッセで開催。メーカーやショップのデモカーが多数展示される
  • ジャパントラックショー: トラックカスタムに特化した展示会。エアロメーカーやカスタムショップが一堂に集まる
  • 各地のオフ会・ミーティング: SNSで情報を集めると、地域のオーナー同士の交流の場が見つかる

ベース車両を探すなら

VIPスタイルの第一歩は、ベース車両選びから始まります。軽トラックであればハイゼットやキャリイ、小型トラックならハイエースやキャラバンが代表的な候補です。年式や走行距離、車検の有無を考慮しながら、カスタムの土台にふさわしい一台を探しましょう。

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