用途・業種から選ぶ

造園業向けトラックの選び方

2026.08.14 更新 読了 約13分 編集部
造園業のトラック荷台に積まれた剪定枝・刈り草・庭石・植木・工具類。住宅地の現場で積み込み作業中の情景。

造園業で使うトラックは、運ぶものの種類と現場条件で選ぶべき車種・サイズ・架装が大きく変わります。刈り込み枝や芝生の運搬には軽トラックで十分な一方、庭石や重機の運搬にはクレーン付きトラックが欠かせません。

この記事では、造園業の実務に即して、運ぶもの→推奨車種・架装→免許とコスト→中古選びの注意点までを順を追って整理します。最後に中古トラック在庫の探し方も紹介するので、導入検討の参考にしてください。

造園業でトラックに積むものと現場の条件

まずは自社の業務内容を「運ぶもの」と「現場環境」の2軸で整理します。これが車種選びの出発点です。

運ぶものの種類と特徴

造園業でトラックに積む代表的な荷物は次のとおりです。

荷物の種類具体例重量・かさの特徴
剪定枝・刈り草・落ち葉剪定くず、芝生の刈りかす軽いがかさばる(容積が必要)
抜根・伐採材抜根した根株、伐採した丸太重く、形状が不規則
土砂・砂利・石材真砂土、砕石、庭石、レンガ非常に重い。積み下ろしに機械力が必要な場合あり
植木・苗木根巻きされた樹木、ポット苗高さがあり、倒れない固定が必要
工具・機材刈払機、チェーンソー、脚立、発電機小型だが多品目。盗難・雨対策が必要

かさばる剪定枝が中心なら荷台容積の大きい車両、石材や土砂の運搬が多いならダンプ機構やクレーン付きが現実的な選択になります。

現場で求められる機動力

造園の現場は住宅地の狭い路地や公園内、未舗装の山林など多様です。次の条件を満たせる車格かを確認します。

  • 狭隘道路への進入: 住宅街では全幅1.7m級の小型トラックが有利。軽トラックならなお良い
  • 未舗装・傾斜地: ぬかるみや傾斜のある現場では4WD(四輪駆動)が有効
  • 駐車・作業スペース: クレーン付き車両はアウトリガー(張り出し脚)を張るスペースが必要
  • 最小回転半径: 現場内での切り返しのしやすさに直結

造園業におすすめのトラックの種類とサイズ

ここからは、造園業で使われる主要なトラックの種類を、用途とサイズ別に紹介します。

造園業向け主要4車種の横並び比較。左から軽トラック(軽ダンプ)、2tダンプ(三方開)、クレーン付きトラック(ユニック車)、塵芥車(パッカー車)。サイズ差と架装の違いが一目でわかる。

軽トラック(軽ダンプ含む)

小回りが利き、維持費も最も安いのが軽トラックです。剪定枝や工具の運搬、現場間の移動に最適です。

項目内容
代表車種ダイハツ ハイゼットトラック、スズキ キャリイ、トヨタ ピクシストラック など
最大積載量350kg(軽ダンプは300kg前後)
メリット軽自動車税のみ。狭い現場にも入りやすく、維持費が格段に安い
デメリット積載量・荷台サイズに限界がある。石材や大量の土砂は運べない
こんな造園業者に剪定・草刈り中心の個人事業主。セカンドカーとしての保有にも

軽ダンプ(荷台が油圧で傾くタイプ)は土砂や砕石の排出が格段に楽になります。ただし軽トラックのダンプは最大積載量が標準より下がるため、過積載に注意が必要です。

2tトラック(平ボディ・ダンプ)

造園業で最も汎用性が高く、主力となるクラスです。枝葉から土砂まで幅広く対応できます。

項目内容
代表車種いすゞ エルフ、日野 デュトロ、三菱ふそう キャンター、UDトラックス カゼット
最大積載量2,000kg〜3,000kg(架装により変動)
メリット1台で枝葉・土砂・資材をカバー。新車・中古とも流通量が多く選択肢が豊富
デメリット軽トラックより維持費がかかる。駐車場所の確保が必要
こんな造園業者に小道から公共工事まで幅広く手がける事業者。1台目の主力候補

ダンプか平ボディか: 土砂や砕石の搬出が多いならダンプが便利です。特に左右にも開く**三方開ダンプ(3転ダンプ)**は、狭い現場で車両を回さず側面から排土できるため造園業との相性が抜群です。平ボディは荷台が広くアオリ(側面板)を外して長尺物を積める利点があります。

クレーン付きトラック(ユニック車)

庭石や大型の植木、重機の積み下ろしにクレーンが必要になる場面は少なくありません。「ユニック車」はトラックの荷台に小型クレーンを架装した車両です。

項目内容
代表車種各メーカー2t〜4tシャシーに古河ユニック・タダノ等のクレーンを架装
クレーン能力2tクラスで吊り上げ荷重1t〜2.5t程度(作業半径により変動)
メリット石材・植木の積み下ろしを自社完結できる。外注クレーン費用が不要に
デメリット架装重量分だけ積載量が減る(減トン)。クレーンの操作資格(小型移動式クレーン運転技能講習)が必要
こんな造園業者に造園外構工事(庭石・エクステリア)が多い事業者。植木の移植・運搬を自社で行う場合

注意点: クレーンのブーム段数(3段・4段)が多いほど高く・遠くまで届きますが、クレーン自体が重くなり積載量が減ります。造園の現場では、狭い場所で安定して作業できるワイドアウトリガー(張り出し脚)付きが実用的です。

塵芥車・パッカー車(造園専用)

剪定枝や刈り草を大量に処理するなら、塵芥車(パッカー車)が効率的です。プレス式で枝葉を圧縮できるため、見た目以上に多くの量を積めます。

項目内容
推奨サイズ2t〜3tクラス、荷箱容積4〜6立方メートル
メリット枝葉を圧縮して積載効率が格段に上がる。排出も油圧プレスで簡単
デメリット枝葉専用になるため汎用性が低い。駐車スペースを取る
こんな造園業者に剪定・伐採の案件が多い事業者。公共の公園管理業務など

散水車・高所作業車

大規模な植栽管理や街路樹のメンテナンスでは、散水車(散水タンク付きトラック)や高所作業車が必要になることもあります。これらは専門性が高く、稼働率を見極めて導入を判断します。

造園業に合う架装・装備の選び方

車種が決まったら、細かな架装・装備を現場に合わせて選びます。

ダンプ機構:一方開か三方開か

  • 一方開(後方ダンプ): 後ろにだけ開く標準タイプ。価格が安く、直線的に排出できる現場向き
  • 三方開(3転ダンプ): 左右と後方に開閉可能。車両を転回できない狭い路地でも側面から排土できるため、住宅地の造園現場で重宝する

ダンプ機構の比較図。左:一方開(後方ダンプ)で後方のみに排土する様子。右:三方開(3転ダンプ)で左右・後方へ排土できる様子。矢印で排出方向を図示。

クレーンの要不要

「年に数回しか使わないかも」という場合は、クレーン付き車両の購入よりレンタルや外注が合理的です。逆に月に数回以上の出番があるなら、自社所有がコストメリットを生みます。

4WD(四輪駆動)の必要性

山林やぬかるんだ現場、冬季の凍結路を走る機会があるなら4WDを推奨します。2WDに比べて中古市場での流通は少なめですが、現場でスタックするリスクを減らせます。

あると便利な装備

  • 荷台シート・幌: 剪定枝や工具の雨よけ・飛散防止に
  • 鍵付き工具箱: 刈払機やチェーンソーなど高価な道具の盗難防止
  • バックアイカメラ: 狭い現場での後退時に安全確認が容易
  • ETC: 高速移動のある事業者向け
  • 作業灯: 冬場の早朝作業や日没後の片付けに

免許区分と導入コストの目安

車格と必要な運転免許

車格車両総重量(GVW)必要な免許
軽トラック〜1.5t未満普通免許(AT限定可)
小型トラック(2t級)〜5t未満普通免許(2017年3月以降取得は準中型5t限定)
中型トラック(3t〜4t級)5t〜11t未満準中型免許または中型8t限定免許
大型トラック11t以上大型免許

運転する従業員の免許を確認し、全員が運転できる車格を選ぶのが安全です。特に2017年3月以降に普通免許を取得した方は、GVW 3.5t未満までしか運転できないため注意が必要です。

導入コストの目安

車種・サイズ新車価格(目安)中古車価格(目安)
軽トラック100万円〜150万円30万円〜80万円
軽ダンプ130万円〜180万円50万円〜100万円
2t平ボディ350万円〜450万円80万円〜250万円
2tダンプ400万円〜550万円150万円〜350万円
2tユニック車500万円〜700万円200万円〜450万円

価格は年式・走行距離・架装状態で大きく変動します。中古トラック情報サイトで相場を確認しながら検討することをおすすめします。

維持費の目安(2tトラックの場合・年間)

費目概算額
自動車税11,500円(小型/年)
重量税20,500円(自家用/年相当)
自賠責保険28,720円(年相当)
任意保険7万円〜15万円
車検・定期整備10万円〜20万円
燃料費走行距離による(軽油燃費 約5〜8km/L)

年間の維持費は走行距離や使用状況により30万円〜60万円程度が目安です。

中古トラックを選ぶ際の注意点

造園業はトラックを「道具」として酷使するため、中古車の状態見極めが重要です。

架装部分を重点チェック

ダンプやクレーンなどの架装部分はエンジン以上に故障リスクが高い箇所です。

  • ダンプ: ホイスト(油圧シリンダー)の作動確認。上げ下げのスムーズさ、異音の有無、オイル漏れをチェック
  • クレーン: ブームの伸縮・旋回の動作確認。油圧ホースの劣化(ひび割れ)やオイル漏れがないか
  • 荷台: 床板の腐食・凹み。特にダンプは土砂や水分が溜まりやすく床板が傷みやすい

走行距離より架装稼働時間を意識

造園業のトラックは走行距離が少なくても、現場で架装(ダンプ・クレーン)を頻繁に使っているケースがあります。走行距離だけに惑わされず、架装の作動時間やメンテナンス履歴を販売店に確認しましょう。

錆(さび)の確認

融雪剤を撒く地域で使われていた車両は、下回りの腐食が進んでいることがあります。シャシフレームやサスペンション周りの錆を重点的に確認し、穴あきや著しい腐食がある車両は避けます。

車検整備付きかどうか

中古トラック販売店によっては、購入時に車検整備をセットで提供しているところもあります。「すぐ乗れる」状態で納車されるか、別途整備費用がかかるかを事前に確認しておきましょう。

トラックバンクで造園業向け中古トラックを探す

中古トラックの情報サイト「トラックバンク(TRUCK-BANK.net)」では、ボディタイプ・メーカー・クラス・地域別に在庫を検索できます。造園業向けの車両を探す際は、次の条件で絞り込むと効率的です。

  • ボディタイプ: ダンプ、クレーン車、平ボディ、塵芥車など
  • クラス(サイズ): 小型(2t級)を中心に、必要に応じて軽・中型
  • 地域: 販売店の所在地から絞り込み。現車確認のしやすさを考慮
  • フリーワード: 「三方開」「3転」「4WD」など欲しい仕様で検索

気になる車両は「お気に入り」に保存して比較検討できます。また新着お知らせメールに登録しておくと、希望に合う車両が出たときに通知を受け取れます。

まとめ

造園業向けトラック選びは、自社が「何を・どこで」運ぶかを明確にすることから始まります。そのうえで、以下の順に判断していくと失敗が少なくなります。

  1. 運ぶものの種類と重量を整理し、必要な積載量・架装を決める
  2. 現場の道路条件から車格(軽/2t/3t以上)を選ぶ
  3. ダンプ・クレーンの要不要を判断し、架装仕様を具体化する
  4. 免許区分と予算を照らし合わせ、新車か中古かを決める
  5. 中古の場合は架装の状態と整備履歴を重視して選ぶ

枝葉中心の個人事業主には軽トラック、石材や土砂を扱うなら2tダンプやユニック車、剪定枝の大量処理には塵芥車と、業務内容に合った1台を見つけてください。

参照元

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