選び方・買い方

フォワード 中古の選び方・注意点

2026.06.20 更新 読了 約16分 編集部

いすゞフォワードは、日本の中型トラック市場で長年にわたり高い人気を誇る車種です。2020年から2022年まで3年連続で新車販売台数1位を記録した実績があり、運送業界を中心に、建設業や農業まで幅広い業種で使われています。

中古でフォワードを買うなら、新車より大幅にコストを抑えられるだけでなく、納車までのリードタイムも短いという大きな利点があります。しかし一方で、年式やグレードの選び方、故障リスクの見極めを誤ると、思わぬ出費や稼働停止に見舞われることも事実です。

この記事では、これから中古のフォワードを購入しようと考えている方に向けて、車種の特徴と用途適性、年式・グレードの選び方、注意すべき弱点、購入時のチェックポイント、そして相場の目安までを体系的にまとめました。

フォワードの特徴と用途適性

フォワードは、いすゞ自動車が1970年から製造・販売している中型トラックです。車両総重量8トン〜11トンクラスに属し、積載量は標準で4トン前後、増トン仕様では6〜8トンにまで対応します。

歴代モデルは2023年時点で6代目まで進化しており、各世代で積載性や燃費性能、安全装備が着実に強化されてきました。ここでは、中古市場で主に流通している世代を軸に、フォワードの特徴と用途適性を整理します。

歴代モデルの変遷

世代生産期間主な特徴
3代目1985年〜1994年デザイン・快適装備が大幅に向上。マルチユースシートやパワーウィンドウを採用。
4代目1994年〜2007年ABS・ASRなどの安全装備を充実。6HE1型エンジン(250ps)など高性能エンジンを追加。
5代目2007年〜2023年D-COREエンジン搭載。安全性・経済性・環境性能を追求。新車販売台数1位を複数年記録。
6代目2023年〜モジュール設計「I-MACS」を採用し、操作性・安全性・環境性能を一段と進化。

3代目以前の車両は中古市場では流通量が少なく、整備部品の入手性にも注意が必要です。実用的な中古車両の中心は、4代目後期から5代目となります。

ボディタイプと用途適合

フォワードの魅力の一つは、豊富なボディバリエーションです。代表的なボディタイプと、それぞれの主な用途は以下のとおりです。

  • ウイング: 側面が大きく開くため、パレット積みの荷物の積み下ろしが効率的。長距離輸送や物流センター間の幹線輸送に適する。
  • 平ボディ: 汎用性が高く、建築資材や鋼材、機械など多様な荷物に対応。建設業や製造業で幅広く使われる。
  • 冷凍車・保冷車: 食品配送や医薬品物流に不可欠。温度管理が必要な貨物の輸送に特化。
  • クレーン車: 荷役作業を自車で完結できるため、建材店や設備工事の現場で重宝される。
  • ダンプ: 土砂や砕石、廃材の運搬に。土木・建設現場で必須。
  • その他: タンクローリー(液体輸送)、トラクタ(トレーラー牽引)、キャリアカー(車両輸送)、重機運搬車など。

自分の使い方に合ったボディタイプを選ぶことが、フォワード選びの第一歩です。「とりあえず安いから」で汎用平ボディを買い、後から架装変更するのは現実的ではありません。架装込みで用途に合った車両を探しましょう。

中古で狙うべき年式・グレード

中古フォワードを選ぶ際に、まず判断の軸となるのは「どの年式を狙うか」です。ここでは、価格帯・DPDの有無・安全装備の3つの観点から、狙い目の年式を整理します。

年式別の狙い目早見表

年式世代価格帯の目安DPD有無主な安全装備おすすめ度
2007年〜2009年(平成19〜21年)5代目前期100万円〜300万円一部車両に搭載ABS、エアサス(グレード別)★★☆ 価格重視なら。走行距離とDPDの有無に注意
2010年〜2014年(平成22〜26年)5代目中期200万円〜500万円多くの車両に搭載衝突被害軽減ブレーキの前身装備が一部車両に★★★ 価格と装備のバランスが良いゾーン
2015年〜2019年(平成27年〜令和元年)5代目後期300万円〜800万円全車標準搭載プリクラッシュブレーキ、車線逸脱警報が標準化★★★★ 最も狙い目。DPDが標準で安全装備も充実
2020年〜2023年(令和2〜5年)5代目最終〜6代目500万円〜1,500万円全車標準搭載最新装備がほぼ揃う。2023年式はI-MACS採用★★★☆ 予算に余裕があればベストだが、価格が高い

なぜ2015年〜2019年式が最も狙い目か

この年代は、プリクラッシュブレーキや車線逸脱警報といった安全装備が標準化され、かつDPD(ディーゼル・パティキュレート・ディフューザー)も全車に搭載されています。DPDがない車両を選ぶと、後付けのコストや行政の排ガス規制対応に悩まされる可能性があります。

価格帯は300万円〜800万円と、5代目後期としては手頃で、走行距離が10万km前後の物件も多いため、コストパフォーマンスに優れています。

グレード選びの考え方

フォワードには標準グレードの他に、「増トン」と呼ばれる最大積載量を引き上げた仕様があります。増トン車は車両総重量8トン超となり、中型免許(限定なし)が必要になる点に注意してください。標準の4トン積みであれば、中型免許(8トン限定)で運転可能です。

また、エアサスペンション搭載車は乗り心地が良く、荷物の損傷リスクを減らせますが、中古市場では流通量が限られます。長距離輸送がメインなら、エアサス付きを優先して探すのがおすすめです。

フォワードの中古で注意すべき弱点・故障しやすい箇所

中古トラックは、新車に比べて故障リスクが高くなるのは避けられません。フォワードには、年式や走行距離に関わらず注意すべき弱点がいくつかあります。購入前に知っておくことで、予想外の修理費に悩まされるリスクを減らせます。

エアコンコンプレッサー

経年劣化により、エアコンのコンプレッサーは焼付きや異音を起こしやすくなります。特に夏場に故障が集中する傾向があります。故障時の修理費は、コンプレッサー本体の交換だけでなく、エキスパンションバルブやリキッドタンクなど関連部品も同時に交換が必要になるケースが多く、10万円から20万円程度の出費を覚悟する必要があります。

中古車を選ぶ際は、エアコンの効き具合と異音の有無を必ず確認しましょう。

オルタネーター(発電機)

オルタネーターは、エンジンの回転を利用してバッテリーに電気を供給する部品です。走行距離が10万kmを超えたあたりから故障リスクが高まり、突然の発電不能に陥ると走行不能になります。交換費用は工賃込みで5万円〜10万円程度が目安です。

中古購入時は、バッテリー電圧のチェックと、オルタネーターからの異音の有無を確認してください。

ラジエターの水漏れ

冷却系統の中でも、ラジエター本体やホース接続部からの冷却水漏れは、フォワードの中古車両でよく見られるトラブルです。長年の振動や経年劣化でホースが硬化し、微小な亀裂から冷却水が滲み出ます。放置するとエンジンのオーバーヒートに直結するため、早期発見が重要です。

下回りに冷却水のにじみがないか、リザーブタンクの水位が適正か、実車確認時にチェックしましょう。

DPD・DPF の詰まりと再生トラブル

いすゞの排ガス浄化装置「DPD」は、排気ガス中の粒子状物質(PM)をフィルターで捕集し、高温で燃焼させて浄化する仕組みです。2010年代以降のほとんどのフォワードに搭載されています。

DPD フィルターに PM が蓄積すると、自動再生(走行中の高温燃焼)が働きますが、短距離のチョイ乗りや低速走行が多いと再生が追いつかず、警告灯が点灯します。この警告を無視して走行を続けると、フィルターの完全詰まりが進行し、最悪の場合エンジン内部の圧力上昇によるインジェクター故障やターボチャージャーの焼損にまで発展する可能性があります。

DPD フィルターの洗浄費用は5万円〜15万円程度、交換になると数十万円に及ぶこともあります。中古購入時には、必ず DPD 警告灯の点灯履歴と、再生操作が正常に行われるかを確認しましょう。また、整備記録簿に DPD 関連の整備歴が記載されているかをチェックすることも重要です。

セミオートマトランスミッション(SMT)のフィーリング

フォワードの5代目以降には、いすゞ独自のセミオートマトランスミッション「SMT」が搭載されている車両が多くあります。SMT はクラッチ操作が自動化されているため、MT 車よりも運転負荷が軽減される反面、変速時のショックやギクシャク感が出やすいという特性があります。

中古車両では、クラッチの摩耗状態や制御系の学習状態によってフィーリングが大きく変わります。購入前の試乗では、発進から低速域での加速時にスムーズに変速するか、異音がないかを必ず確認してください。

中古フォワード購入時のチェックポイント

実車確認のポイント

中古フォワードを購入する際は、書類や写真だけで判断せず、可能な限り実車を確認することが鉄則です。以下のポイントを押さえてチェックしましょう。

  1. エンジン始動確認: 冷間時(エンジンが冷えた状態)で一発始動するか。始動直後の白煙や異音の有無。DPD 再生中表示が出ていないか。
  2. 試乗: 可能であれば必ず試乗する。ハンドルの遊び、ブレーキの効き、変速のスムーズさ、異音や振動の有無を確認。
  3. エアコン: 冷房・暖房ともに最大出力で正常に動作するか。コンプレッサーからの異音がないか。
  4. オイル漏れ: エンジンルーム内、トランスミッション周辺、デフ(差動装置)周辺、ショックアブソーバーからのオイル滲み。
  5. 冷却系統: ラジエター周辺のサビや冷却水のにじみ。ホース類の硬化・亀裂。
  6. DPD/DPF: 警告灯の点灯履歴。整備記録簿での整備・洗浄歴の確認。
  7. タイヤ: 残り溝、偏摩耗の有無。タイヤ交換時期が近いとその分のコストが上乗せされる。
  8. フレーム・足回り: フレームの曲がりや補修跡、リーフスプリングの折損や亀裂。
  9. 電装系: 灯火類(ヘッドライト、ウインカー、ブレーキランプ、バックランプ)の全点灯確認。メーター内の警告灯が正常に消灯するか。

書類確認のポイント

中古車両の購入では、車両本体の状態だけでなく、以下の書類確認も欠かせません。

  • 整備記録簿: 過去の定期点検や整備の記録が残っている車両は、メンテナンスの履歴が透明で安心感が高い。DPD洗浄歴やオイル交換周期を特にチェック。
  • 車検証: 車検の有効期限と残存期間。車両重量や最大積載量が自分の用途・免許条件に合っているか。
  • リコール・サービスキャンペーン対応歴: いすゞの公式サイトで車台番号から検索可能。未対応の案件があれば購入後に対応できるか確認。
  • 排出ガス規制適合証明: 平成28年排ガス規制適合車かどうか。都市部の特定地域では非適合車の運行に制限がある場合がある。

販売店選びのポイント

中古トラックの購入では、販売店の選び方も結果を大きく左右します。以下の基準で選びましょう。

  • 自社整備工場の有無: 整備工場を併設している販売店は、納車前点検や購入後のメンテナンスがスムーズ。
  • 保証内容: 中古車でも保証が付くか、保証範囲(期間・部位)を確認。最低でも納車後1ヶ月または1,000kmの保証がつくと安心。
  • 販売実績と専門性: トラック専門の販売店か、総合中古車販売店か。フォワードのような中型トラックの在庫を常時複数台持つ専門店の方が、選べる幅が広い。
  • 口コミ・評判: Googleの口コミや業界内での評判を事前に確認する。

フォワードの中古相場と在庫の探し方

中古フォワードの価格帯

2026年6月時点の中古フォワードの価格帯は、グーネットの在庫データによると118万円〜2,090万円です。この価格幅は、年式・走行距離・架装の種類・車両状態によって大きく変動します。

実際の購入予算を立てる際の目安として、以下の価格帯を参考にしてください。

  • 4代目後期(2004年〜2007年式): 100万円〜300万円。走行距離が多く、装備はベーシックだが、初期投資を抑えたい場合に。
  • 5代目中期(2010年〜2014年式): 200万円〜500万円。価格と装備のバランスが良く、中古市場の主力。
  • 5代目後期(2015年〜2019年式): 300万円〜800万円。安全装備とDPDが揃い、中古の狙い目。
  • 5代目最終〜6代目(2020年〜2023年式): 500万円〜1,500万円。最新装備が充実しているが、価格は高め。

在庫の探し方—トラックバンクを活用する

フォワードの中古車両を探すなら、トラックバンク(TRUCK-BANK.net)が便利です。トラックバンクは、全国の中古トラック在庫をボディタイプ・メーカー・クラス・地域別に横断検索できる情報サイトです。

フォワードの検索では、「いすゞ」を選択し、「ボディタイプ」で平ボディやウイング、冷凍車など希望するタイプを絞り込むことで、全国の在庫から効率的に希望の車両を見つけられます。また、地域を限定すれば、地元の販売店の在庫だけを表示することも可能です。

さらに、トラックバンクの会員登録(無料)をすると、お気に入り車両の保存や比較機能、在庫確認の一括見積もり依頼も利用できます。

また、中古パーツが必要になった場合は、姉妹サイトの「パーツバンク.net」で部品在庫を検索できます。車両購入後のメンテナンスや修理に備えて、あわせてチェックしておくと安心です。

まとめ

フォワードの中古購入では、以下の3つのポイントを押さえることが成功の鍵です。

  1. 年式・グレードの見極め: 予算と必要な安全装備・DPDの有無を考慮し、2015年〜2019年式を中心に検討するのが最もバランスが良い。
  2. 弱点の事前把握: エアコン、オルタネーター、ラジエター、DPDの4つの弱点を理解し、購入前のチェックリストに組み込む。
  3. 相場を知った上で在庫検索: トラックバンクを活用して、相場観を持った状態で全国の在庫を比較検討する。

中古トラックの購入は、新車に比べてリスクがあるのは確かです。しかし、この記事で紹介した選び方と注意点を踏まえて慎重に車両を選べば、そのリスクは十分にコントロールできます。フォワードは信頼性が高く、長く使えるトラックです。ぜひ、納得のいく一台を見つけてください。


参照元:

  • いすゞ自動車公式サイト「いすゞ・フォワード」製品情報・サービスキャンペーン情報
  • グーネット「フォワードの新車・中古価格相場」
  • トラックランド「いすゞ・フォワードの特徴と中古車両を選ぶ際のポイント」
  • 部品屋のウラ話「いすゞ フォワードの弱点や故障」
  • トラックバンク「中古トラック在庫検索」

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