クレーン(ユニック)付き中古トラックの相場・価格
クレーン付きトラックの中古相場は、小型(2tクラス)で250万円台から、中型(3〜4tクラス)で350万円台から、大型クラスでは600万円台以上と幅広く、装備や状態によっては200万円台前半の個体も市場に出回ります。ただし価格が安いことには必ず理由があり、クレーン装置の整備状態や車両本体の走行距離などを見誤ると、購入後に想定外の出費が生じるリスクがあります。本記事ではサイズ別の相場帯と、価格を左右する主な要素、安い個体の見極め方について解説します。
クレーン付きトラックの概要と需要
「ユニック」とは、もともとタダノユニックのブランド名が一般名詞化した呼称で、現在は「クレーン付きトラック」や「クレーン車」と呼ばれることも多いです。荷台にクレーン(油圧ブーム)を架装した車両で、現場での荷積み・荷降ろしを自力で行えるのが特長です。建設資材や法面材、農業資材の運搬、機械据付けなど幅広い業務で利用されています。
需要の傾向としては、建設業や運送業を中心に、少人数で荷役作業を完結させたい事業者からの問い合わせが多く、中古市場でも安定した需要があります。
中古相場のサイズ別目安

相場は車両サイズとクレーンの能力によって大きく変動します。以下は2026年時点の国内中古市場で見られる価格帯の目安です。
小型(2tクラス)
2トントラックにクレーンを架装した車両で、最大積載量とクレーン吊り上げ荷重は比較的コンパクトです。市場価格は250万円〜500万円台が中心で、年式が古く走行距離が多い個体では200万円台前半からも見つかります。
中型(3t・4tクラス)
3トン、4トンに分類されるクラスで、最も需要が高い領域です。クレーンの吊り上げ荷重が2.33t〜2.93t程度にパワーアップし、ブーム段数も3段から5段まで多様です。相場は350万円〜800万円台で、高年式・低走行・4段以上・ラジコン付きの仕様では600万円台後半〜となります。逆に年式の古い3段クレーンでは300万円台前半の個体もあります。
大型(増トン・10tクラス)
増トン車(7〜8t)や大型トラック(10t以上)にセットされたクレーンは、吊り上げ荷重が3t〜5t超と重く、作業範囲も広大です。このクラスの中古相場は600万円台〜1,000万円以上となり、大型車特有の整備コストも加味した総合的な予算計画が必要です。
価格を大きく左右する6つの要素
同じサイズ帯でも価格に数十万円〜数百万円の差がつくのがクレーン付きトラックの特徴です。主な変動要因は以下の通りです。
1. 年式と走行距離
年式が新しく、走行距離が少ないほど価格は高くなります。ただしクレーン付きの場合、車両本体の年式とクレーン装置の製造年式が一致しないケースも少なくありません。クレーン側の経年劣化を無視して判断すると、後で修繕費がかさむことがあります。
2. クレーンの吊り上げ荷重とブーム段数
吊り上げ荷重が大きく(2.93tなど)、ブーム段数が多い(4段・5段)ほど価格は上がります。段数が多いと作業半径内での吊り上げ能力が安定し、現場での融通が利きます。3段クレーンと4段クレーンでは数十万円〜百万円単位の価格差が出ることもあります。
3. ラジコン・フックインの有無
クレーンの無線ラジコン操作や、荷台フックイン(荷物を止めるためのフック)の装備は、作業効率と安全性を大きく左右します。ラジコン付きは30万円〜50万円程度の加算が見込まれます。
4. アウトリガーの状態
クレーン作業時に車体を安定させるアウトリガーの動作不良や、ピン・シリンダーの油漏れは修理に高額がかかるケースがあります。動作確認とオイル漏れの有無は必須のチェック項目です。
5. 架装メーカー
クレーンの架装メーカー(タダノ、古河ユニック、加藤など)によって部品の供給体制や市場での流通量が異なり、中古価格や整備のしやすさに差が出ることがあります。タダノと古河は国内でのシェアが高く、中古市場での実績も豊富です。
6. 整備歴と保証の範囲
点検整備記録簿が揃っているか、販売店による保証の有無も価格に影響します。記録簿がない場合は実際の消耗具合が見えにくく、購入後のリスクが増します。
安い個体に惹かれる人が知るべき落とし穴

予算を抑えたい気持ちは当然ですが、相場を大きく下回る価格には、必ずいくつかのパターンがあります。
「この価格なら安い」と思える3つのパターン
- 車両本体は良好でもクレーン部の修繕が必要:ブームの油圧シリンダー漏れや、旋回装置のギア摩耗などが隠れているケースがあります。修繕には数十万円〜百万円以上かかることもあります。
- 平ボディに後付クレーンの個体:後から取り付けられたクレーンは、架装強度や保安基準への適合を個別に確認する必要があります。補強板の施工品質が不明な場合、車検時に不適合となるリスクがあります。
- ラジコン未装備・手動操作のみ:手動操作でも問題なく使えますが、作業効率や安全性の観点から生産性の差が大きく、のちのちラジコン後付けを検討すると数十万円から百万円近い追加出費が生じることがあります。
見送りを検討した方がよい兆候
- 販売店がクレーン部の動作を「現状販売」と断り、試運転を制限している
- 整備記録簿が全くなく、前オーナーの使用状況が不明
- 車両本体とクレーン装置の組み合わせが、メーカー純正の架装ではなく不自然な後付け
- 塗装や外装はきれいだが、シャシー下部やアウトリガーに著しいサビや油汚れがある
購入前に確認すべき5つのチェックポイント
実際の車両を見る際は、以下のポイントを中心に確認すると、大きな後悔を減らせます。
1. クレーン部の動作確認
エンジンをかけて、ブームの伸縮・旋回・荷役(荷吊り)を実際に動かします。アイドリングからの作動、微調整時の動きの滑らかさに注目し、異音や揺れがないか確認します。
2. 補強板・溶接部の劣化チェック
シャシーとクレーン台座の接合部、補強板の周囲に亀裂や腐食がないか目視とハンマーで点検します。初期クラックは見落としやすく、発見が遅れると修繕費が膨張します。
3. 点検整備記録簿の有無
クレーンの定期自主検査(毎月・毎年)の記録が残っているか確認します。記録があると、過去の故障箇所や交換部品の履歴が把握でき、今後のメンテナンス計画に役立ちます。
4. 安全装置の作動確認
荷重検知装置(過剰荷重を検知して作動を停止させる装置)や、ワイヤロープの断線防止器具、アウトリガーの未展開警告装置などが作動するか確認します。
5. 車両本体の走行系・シャシー状態
エンジン・ミッション・ブレーキ、シャシーの腐食はクレーン部とともに見る必要があります。特にブレーキの効きや、マフラーの排気漏れは保安基準適合に関わります。
まとめ:予算に合った一台を見つけるために
クレーン付きトラックの中古相場は、小型で250万円台から、中型で350万円台からが目安です。安い個体は条件次第では十分に実用的ですが、安さの裏にあるクレーン部の経年劣化や整備不足を見落とすと、購入後に想定を超える出費が生じることがあります。車両本体とクレーン装置を分けて確認し、点検記録や実動作の結果をもとに総合的に判断すると、予算内で満足できる一台が見つけやすくなります。
トラックバンクでは、ボディタイプやメーカー、地域別で中古クレーン車の在庫を検索できます。気になる価格帯や仕様から実際の掲載車両を確認してみてください。
- トラックバンクの中古クレーン車在庫検索
- 中古トラック価格相場(トラックバンク特集)
参照元
- トラック流通センター「【サイズ別】中古トラック価格相場|激安トラックの注意点と購入場所」
- ユニック車情報メディア「3tユニックの中古車 失敗しない購入チェックポイント」
- ユニック車情報メディア「古河ユニック 中古 相場と失敗しない選び方」
- トラック流通センター「中古クレーン車購入における5つのチェックポイントと費用相場について」