高所作業車の中古相場・価格
高所作業車は、電気工事や通信工事、建設現場などで欠かせない特装車です。中古市場では年式や作業高さ、架装メーカーによって価格帯が大きく異なり、150万円台から1,500万円超まで幅広く流通しています。本記事では、高所作業車の中古相場レンジと価格を左右する要素、購入時の注意点を解説します。
高所作業車の概要と需要
高所作業車とは、荷台に昇降装置を架装し、作業用バスケットやリフト機構を持つ車両の総称です。労働安全衛生法の高所作業に該当する2メートル以上の高所作業を安全かつ効率的に行うために用いられます。
主な用途は電気工事・通信工事・建設工事のほか、看板や橋梁の点検・修繕、樹木の剪定など多岐にわたります。足場を組み立てる時間と費用を省略でき、狭い現場でも機動力を発揮する点が大きなメリットです。
高所作業車は大きく「トラック搭載式(車載式)」と「自走式(建機タイプ)」に分類されます。トラック搭載式は通常のトラックにアウトリガーとブームを装備したもので、いすゞ・エルフ、日野・デュトロ、三菱ふそう・キャンター、トヨタ・ダイナなどの小型トラックがベースとなるケースが多いです。自走式はホイール式やクローラ式の走行装置を持ち、建設現場内などで単体で移動・作業するタイプで、アイチコーポレーションや長野工業などの製品が代表的です。
電気工事・通信工事業界では新規投資や設備更新の需要が継続しており、中古市場も安定的に取引されています。特に10〜12mクラスの電工仕様車両は在庫の回転が速く、需要と供給のバランスが取りやすい価格帯となっています。
高所作業車の中古相場レンジ

中古高所作業車の価格は、ベース車両のクラス、作業高さ、年式、架装メーカー、仕様によって大きく変動します。以下は各販売サイトの在庫情報から推定される一般的な相場目安です。
作業高さ別・ベース車両別の相場目安
| 区分 | ベース車両 | 作業高さ | 価格帯(目安) |
|---|---|---|---|
| 軽トラックベース | ダイハツ・スズキなど | 〜7m程度 | 150〜300万円 |
| 小型ベース(2t〜3t) | いすゞエルフ、日野デュトロ、三菱ふそうキャンターなど | 8〜10m | 200〜400万円 |
| 小型ベース(2t〜3t) | 同上 | 11〜15m | 300〜600万円 |
| 小型〜中型ベース | 同上 | 17〜22m | 500〜900万円 |
| 中型ベース(4t車) | 三菱ふそうファイター、日野レンジャー、いすゞフォワードなど | 27〜30m | 800〜1,500万円 |
※価格は車両本体価格・税込を想定した目安です。諸費用は別途必要です。
8〜10mクラスは電気工事・通信工事で最も需要が高く、中古市場での流通量も多いため、購入検討者にとって選択肢が豊富な価格帯です。11〜15mクラスは高所作業車としての性能が高まる一方、新車価格も上昇するため中古価格もそれに応じた水準となります。17m以上の高所作業車は流通量が少なく、状態の良い車両は高値で取引される傾向にあります。
自走式(建機タイプ)の相場目安
自走式高所作業車は、中古建機販売サイトにおいて平均価格が約130万円前後とされることがあります。具体的な価格帯は、小型のホイール式・作業高さ3〜6mクラスで数十万円から200万円台、大型のクローラ式・15m以上の車両では400万円以上と、幅広く分布しています。新車価格が高額な割には中古市場で比較的お値打ち感のある価格帯で流通していることもあり、これは多くがレンタル業者からの払い下げでハイアワー車が多いことや、海外輸出需要の影響などが背景にあります。
年式・走行距離別の価格傾向
高所作業車の価格は、ベース車両の年式と走行距離に加え、昇降装置のアワーメーター(稼働時間)も大きく影響します。一般的な傾向として、年式が3〜5年以内で走行距離が少なく、昇降装置の稼働時間も短い車両は高値で取引されます。一方、10年以上経過した車両でも、自走やブームの動作に問題がなければ需要はあり、50万円〜150万円程度の価格帯で取引されることもあります。
価格を左右する要素
中古高所作業車の価格は、単なるベース車両の年式や走行距離だけでなく、架装部分の仕様や状態が大きく左右します。
架装メーカーの人気度
高所作業車の架装メーカーでは、アイチコーポレーションの「スカイマスター」シリーズやタダノの「スカイボーイ」シリーズが人気が高く、中古市場でも安定した需要があります。これらのメーカーは部品の供給体制やサービス網が充実しており、購入後のメンテナンスを考慮した買い手から支持を集めています。長野工業(NAGANO)などの製品も一定の需要があり、絶縁バケット仕様や特殊仕様の車両はさらに高値で取引されることがあります。
仕様による差(電工・通信・絶縁バケット)
高所作業車の用途に応じて、電気工事仕様・通信工事仕様・一般工事仕様などに分かれます。電気工事仕様では絶縁バケットが装備されており、感電リスクを低減する特別な構造となっています。この絶縁バケット仕様は新車架装時に高額なオプションとなるため、中古市場でも通常仕様より高値で取引される傾向にあります。また、スーパーデッキ付きや高所対応モデル、左右に工具箱や収納箱を装備した車両も、実用性が高い分価格が上乗せされるケースがあります。
ブームの種類と状態
ブームの構造には、直線伸縮型(テレスコピック)と屈伸型(アーティキュレーティング)があり、作業高さや作業半径の特性が異なります。ブームの油圧シリンダーや配管の油漏れ、作動不良、サビなどは査定額や販売価格を大きく下げる要因となります。特にブームの伸縮や旋回動作に遅延や異音がある場合は、修理コストを考慮して価格が抑えられます。
アワーメーター・稼働時間
自走式高所作業車やトラック搭載式の昇降装置には、稼働時間を計測するアワーメーターが装備されていることがあります。特にレンタル業者からの払い下げ車両では、7,000〜8,000時間を超えるハイアワー車が多く流通しており、これが中古価格を抑える要因となっています。アワーメーターの値が小さいほど、機械的な摩耗が少ないと判断され価格が上乗せされます。
購入時の注意点

中古高所作業車は、ベース車両としてのトラック性能だけでなく、架装された昇降装置の状態が重要です。購入時には以下の点を確認してください。
車両本体の確認項目
まずベース車両として、エンジンの始動性や排気ガスの状態、アイドリングの安定性を確認します。トランスミッションサイドのPTO(パワーテイクオフ)の作動確認も必須で、これが昇降装置の動力源となります。また、ベース車両および昇降装置各部のオイル漏れや滲みがないかを入念にチェックします。オイル漏れは車検不合格の原因となるだけでなく、油圧系統の故障を示唆する可能性があります。
昇降装置の動作確認
実際にブームを動かしながら、以下の動作を確認することをおすすめします。下部操作盤からの起伏・旋回・伸縮の個別操作、バスケット内操作盤からの同様の動作確認です。レバーやスイッチ類の応答性、手を離してもブームが流れないか、左右の旋回スピードに差がないかなどを確認します。首振り(スイング)動作など細かな動作は、バスケット内から操作したときに発見しやすいことがあります。
安全装置の作動チェック
高所作業車は安全装置の正常作動が命題です。以下の確認を行ってください。まず、昇降装置起動中にエンジンを停止した場合の状態、および緊急停止ボタンで確実に作動が停止するかを確認します。次に、アウトリガーを最小幅で作動させ、ブームを少し起こして前方に伸ばし左右旋回させたときに、旋回規制装置が作動して旋回が止まるかを確認します。また、ブームを最長・最大角度に起こして車両側面へ旋回させたときに、角度規制装置が作動して倒れなくなるかも確認が必要です。さらに、サブ動力源(予備動力)での昇降装置の作動確認も行い、動力源トラブル時の作業員閉じ込めリスクを排除します。
書類とメンテナンス履歴
車検証や定期点検記録簿、昇降装置の整備記録などを確認します。昇降装置の定期点検は年1回以上の実施が推奨されており、整備履歴が整っている車両は今後のメンテナンスコストを抑えやすい傾向があります。架装メーカーからのリコールや改修履歴がないかも併せて確認するとよいでしょう。
維持費・税金の目安
高所作業車の維持費は、ベース車両としてのトラックの維持費に加え、昇降装置の定期点検費用が発生します。
定期点検費用
高所作業車の昇降装置は、構造上の定期自主検査の対象となります。トラック搭載式の場合、作業可能範囲に応じて年1回の点検費用は9m未満で約15,000円、9〜16m未満で約20,000円、16〜24m未満で約25,000円、24m以上で約30,000円が目安とされています。自走式の場合は6m未満で約15,000円、6〜12m未満で約20,000円、12〜20m未満で約25,000円、20m以上で約30,000円が目安です。
車検・税金
ベース車両の車検費用は、小型トラックで約65,000円〜、中型トラックで約150,000円〜、大型トラックで約200,000円〜が一般的な目安です。税金については、高所作業車も通常のトラックと同様に自動車税が課税されます。減価償却においては、高所作業車の法定耐用年数は新車登録から4年です。中古車を購入した場合は、法定耐用年数の20%に相当する年数で算出されますが、2年を下回る場合は2年が適用されます。
保険の目安
高所作業車は通常のトラックと同様に、自賠責保険と任意保険に加入します。ただし、昇降装置を使用しての作業中の事故については、通常の自動車保険の適用範囲を確認し、必要に応じて特約を付帯させることが求められる場合があります。保険料はベース車両のクラスや走行距離、過去の事故歴によって変動します。
まとめ
高所作業車の中古相場は、作業高さやベース車両、架装メーカー、仕様によって大きく異なります。8〜10mクラスの小型トラックベースであれば200〜400万円台、11〜15mクラスでは300〜600万円台がボリュームゾーンです。購入時には、ベース車両の状態だけでなく、昇降装置の動作や安全装置、メンテナンス履歴を入念に確認することが重要です。
年式が新しく走行距離が少ない車両は高値で取引されますが、中古高所作業車は架装部分の状態が価格を左右するため、アワーメーターや油圧系統の状態を重視して選定するとよいでしょう。また、定期点検を継続して行うことで、法定耐用年数を超えて長く使用できるケースも多くあります。
関連情報・在庫検索
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※価格や在庫は日々変動します。最新情報は各販売店での確認をお願いいたします。
参照元:
- トラックバンク(TRUCK-BANK.net)高所作業車在庫検索結果
- BIGLEMON(ビッグレモン)中古自走式高所作業車在庫一覧
- トラック王国 中古高所作業車販売車両一覧
- トラック市 高所作業車中古車一覧
- グーネット(goo-net)高所作業車中古車検索結果
- トラック流通センター「高所作業車の中古車両購入時のチェックポイントと購入後の維持費」